そもそも自律神経の乱れとは何ぞや?

何だか体調が優れないなと思ったり、明確な原因がない心身の不調があると医療機関や針灸、整骨院、整体院などに相談することがあると思いますが、その時に「自律神経の乱れ」といわれ、またそれですかとモヤモヤする方も多いかと思います。では、そもそも自律神経の乱れとは何でしょう?

私たちの体には、知らずのうちにバランスをとる仕組みが組み込まれています。その中心的な役割を担うのが自律神経系です。この自律神経が機嫌を損ねると、心身に様々な不調が現れ、生活の質が低下する可能性があります。自律神経が乱れる仕組みやその背景を、考えていきましょう。


自律神経の基本的な仕組み

自律神経は、意識的にコントロールできない体の機能を調節する役割を持ちます。たとえば、心拍数や血圧、体温、消化活動などです。この自律神経には次の2つの種類があります。

  • 交感神経:ストレスや緊張、活動に応じて体を活性化させる「アクセル」の役割。
  • 副交神経感:休息やリラックス、回復を補う「ブレーキ」の役割。

通常、これらはバランスを保ちながら切り替えることで、私たちの体の状態を最適に保っています。 しかし、このバランスが崩れると、自律神経の乱れが生じます。


自律神経が乱れるまでのプロセス

1. 正常な状態

健康な状態では、交感神経と副交感神経が以下のように働きます。

  • :交感神経が優位になり、活動的な状態へ。
  • :副交感神経が優位になり、リラックスして体を休める。

この切り替えによって、心身の健康が維持されています。

2. ストレッサー(刺激)の出現

心理的なストレス、生活リズムの乱れ、寒暖差などストレッサーとなり、交感神経が過剰に活性化します。

  • 心拍数の増加や血圧上昇、筋肉の緊張。
  • コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌増加により、身体の疲労感が強くなります。

3. バランスの崩れ

ストレスが多少続くと、交感神経が優位な状態が固定化され、副交感神経が十分に働かなくなります。この状態が所謂「自律神経の乱れ」です。

  • HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の過剰活性化:慢性ストレスによりHPA軸が過剰に反応し、自律神経のコントロールが困難に。
  • 迷走神経の機能低下:リラックスを司る迷走神経の働きが弱まり、体が緊張状態から抜け出せない。

HPA軸(視床下部-下垂体-副腎軸)は、体がストレスに対してどのように反応するかを調整する重要なシステムです。HPA軸は、視床下部、下垂体、そして副腎という3つの部位が連携して働き、ホルモンを分泌して体のバランスを整える役割を担っています。以下に具体的な役割の流れを説明します。

視床下部(視床下部)

床下部は脳にある小さな部位で、体のホメオスタシス(恒常性)を視るための指令を出します。 ストレスを感じると、視床下部はCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)というホルモンを分泌し、下垂体に信号を送ります。を送ります。

下垂体(下垂体)

CRHの刺激を受けた下垂体はACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を分泌します。このホルモンは血流に乗り、副腎に到達して次の段階の反応を知ります。

副腎

ACTHが届くと、副腎はコルチゾール(ストレスホルモン)を分泌します。コルチゾールは、血糖値を上げ、エネルギーを供給し、体をストレスに対抗させて働きます。これによって、体はストレスに備えた「戦うか逃げるか」の反応とりあえず準備が整います。

HPA軸の具体的な働き

ストレスがかかったときHPA軸は次のように働きます:

  1. ストレス認知:脳がストレスを感じる。
  2. 視床下部からのCRH分泌:ストレスの信号を下垂体に送ります。
  3. ACTHの秘密:下垂体がACTHを放出し、副腎に指令を出す。
  4. コルチゾールの分泌:副腎がコルチゾールを生成し、体がストレスに対応できるように。

HPA軸の乱れと影響

HPA軸が過剰に活性化すると、慢性的なストレス反応が起こり、うつ病や不安障害、免疫低下などの健康問題が起こります。

4. 心身の不調の発現

自律神経の乱れは、次のような症状として現れます。

  • 身体の症状:頭痛、めまい、日常、肩こり、腸の不調。
  • 心理的症状:不安、イライラ、不眠症。

自律神経の乱れと体内の動き

脳と自律神経の連携

自律神経の調節は、脳の視床下部で行われます。視床下部は、血圧や体温、ホルモンバランスなどを監視し、必要に応じて交感神経と副交感神経を切り替えます。不規則な生活習慣が続くと、視床下部の働きがおかしくなります。

腸内環境の影響

腸は「第二の脳」とも呼ばれ、自律神経との深い関わりがあります。腸内環境が悪化すると、副交感神経の働きが低下し、消化不良や便秘などが起きやすくなります。

血流と神経伝達物質

  • 血流の変化:交感神経優位が続くと、末梢血管が狭くなり、手足の冷えや疲労感が増大します。
  • セロトニンやドーパミンの減少:これにより、不安感や抑うつ状態が保たれます。

自律神経の乱れを防ぐために

自律神経を整えるためには、以下のような対策が有効です:

  • 規則正しい生活:毎日同じ時間に起き床・就寝し、睡眠をしっかりとる。
  • 適度な運動:ウォーキングやヨガなど、リラックスできる運動を取り入れます。
  • ストレスケア:瞑想や深呼吸などでリラックスする習慣を持つ。
  • 腸内環境を整える:バランスの取れた食事、発酵食品などを積極的に摂取する。

整体でできること

当院では現代社会の課題ともいえる過度な緊張状態になった心身へのアプローチを行っています。過緊張で固まった筋肉を緩やかな施術で緩め、必要であれば強い刺激や氣・エネルギーを用いた施術も行います。基本的には筋骨格系の不調にアプローチしますが、緊張が解放(リリース)されることでメンタルも落ち着き、不眠や不安も落ち着くケースもありますので、HSP気質の方々からも喜ばれております。

※いきなり整体は不安という方は、まず医療機関を受診してから次に整体という流れでよいかと思います。

さいごに

このように自律神経の乱れは、生活習慣やストレスと密に接していますので「自律神経の乱れ」という答えが返ってくるんですね。ですので、 心身の不調が続く場合は、日常のどこかに原因があるので、早めにそれを見つけて生活習慣を見直してみて下さい。自分ではどうしようもない場合は専門家のアドバイスを受けてみて下さい。特にメンタルが係わると医療機関の受診も躊躇してしまいがちですが、それも健康な体と心を守るための重要な一歩かなと思います。

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