「ストレス太り」という言葉を聞いたり使ったりしたことは誰しもあると思います。では「ストレス」と「太る」ことについての因果関係を具体的に考えたことがありますか?と聞かれたら?恥ずかしながら私はその事について言及したことはありませんでした。ですので、今回はストレスが何で太らせるのかについての記事を書こうかと思います。
まず、コルチゾールは、ストレスに反応して分泌されるホルモンで、「戦うか逃げるか」反応をサポートするやくめがあるのですが、困ったことに慢性的なストレスをうけるとコルチゾールは過剰分泌され、脂肪蓄積に繋がることがあるんですね。
具体的には
改めてコルチゾールは、副腎から分泌されるホルモンで、ストレスに反応し血糖値を上げ、代謝を調節し、免疫反応を抑える役割を持っています。急性のストレス時には有益なのですが、慢性的なストレス下でコルチゾールが過剰に分泌されると、以下のメカニズムで脂肪蓄積を促進してしまいます。
コルチゾールが脂肪を蓄える主な原因
- 血糖値の上昇: ※コルチゾールは血糖値を上げる働きがあるため、余分な糖が脂肪として体内に蓄えられます。
- インスリン抵抗性の増加: 長期的なコルチゾールの分泌は、インスリン抵抗性を高め、血糖値のコントロールを難しくします。結果、脂肪が分解されにくくなり、蓄積されやすくなります。
- 食欲増進: コルチゾールは食欲を刺激するホルモンの分泌を促し、特に甘いものや高カロリーな食品を欲しくなることがあります。
- 脂肪分解の抑制: コルチゾールは脂肪を分解する働きを抑制し、蓄積された脂肪をエネルギー源として使いにくくします。
※コルチゾールが血糖値を上げる原理は、体がエネルギーを迅速に利用できるようにするためです。具体的には、コルチゾールは肝臓に働きかけ、グリコーゲン(蓄えられた糖)をグルコース(血糖)に変換して血液中に放出させます。これにより、急なストレスや危機的状況に備えて、筋肉や脳が素早くエネルギーを利用できるようになります。
コルチゾールが脂肪を蓄える部位
コルチゾールは、特にお腹周り(内臓脂肪)に脂肪を蓄積させやすい傾向があります。この内臓脂肪は、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、高血圧、心血管疾患など、さまざまな生活習慣病のリスクを高めることが知られています。
その他
- 遺伝的要因: 体質によってコルチゾールへの反応性や脂肪の蓄積しやすさが異なる場合があります。
- 加齢: 加齢に伴い、コルチゾールの分泌量が増加し、脂肪がつきやすくなる傾向があります。
- 性ホルモン: 女性ホルモンは、コルチゾールの影響を抑制する働きがあるため、女性の方が男性よりも内臓脂肪がつきにくい傾向があります。
研究例とデータ
研究によれば、コルチゾールレベルが高い人は腹部脂肪が増える傾向にあります。慢性的なストレスを受けている人々が特にお腹周りに脂肪を蓄えることが確認されています。また、動物実験では、コルチゾールの投与が脂肪組織の増加をもたらすことが示されています。
ストレス管理の重要性
コルチゾールの分泌を管理するためには、ストレス管理が大切です。ヨガ、瞑想、運動などのリラクゼーション法を取り入れることをおすすめします。バランスの取れた食事や十分な睡眠も重要です。
注意: コルチゾールは、生命維持に不可欠なホルモンです。完全に無くすことはできません。大切なのは、ストレスを溜め込みすぎないこと、そしてバランスの取れた生活を送ることです。
さいごに
コルチゾールは、ストレスホルモンとして重要な役割を果たしますが、過剰な分泌は脂肪の蓄積を引き起こします。ストレスを適切に管理し、健康的な生活習慣を維持することで、コルチゾールの影響を最小限に抑えることができます。結局のところ、いつものバランスが大切という答えに帰着してしまいますが、健康は何事も過不足なくですね。