良くも悪くもSNSは、現代の生活に欠かせない存在となりました。それに伴い日常的に受け取る通知は、数えればキリがない程に多くなっています。そんなSNS通知は私たちの心や体にどのような影響を与えているのでしょうか?
SNS通知が私たちの心理や脳に与える影響について、解説してみたいと思います。
1. SNS通知が脳に与える影響:ドーパミンと報酬系
SNSの通知が届いたとき、私たちの脳では「ドーパミン」という物質が分泌されます。このドーパミンは、快感や満足感を感じるときに脳内で分泌される神経伝達物質で、SNS通知が報酬のように感じられる原因の一つです。
例えば、友人から「いいね」やコメントをもらったときに感じる喜びは、脳の報酬系が活性化されるためです。この報酬感覚は、何度も体験することで「もっと通知が欲しい」と感じさせるようになります。その結果、無意識にスマートフォンをチェックしたり、通知が来るのを待つようになることがあります。
2. SNS通知によるストレス:自己評価と比較の影響
一方で通知が少ないと、逆に不安やストレスを感じることがあります。特に、SNS上での「いいね」やコメントの数が少なかったり、他の人と比べて自分がうまくいっていないと感じたりすると、自己評価が下がり、心のバランスが崩れることがあります。
また、仕事や作業中に頻繁に通知が来ると、集中力が途切れてしまい、ストレスを感じることも少なくありません。そもそもSNS通知は私たちの注意を引きやすく仕組みとも言えます。
3. 自律神経への影響:通知が引き起こす体の変化
SNSの通知音やバイブレーションは、私たちの自律神経にも影響を与えます。特に、頻繁な通知は交感神経を刺激し、心拍数が上がったり、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されたりすることがあります。これにより、一時的に「ドキッ」としたり、落ち着かない気分になることがあります。
長期的に交感神経が優位になると、慢性的なストレスが蓄積され、体調不良や睡眠障害を引き起こすこともありますので、特に、通知を受け取る頻度が高い人ほど気を付けて下さい。
通知を頻繁に受け取ることで、ストレスや不調を感じやすくなることが報告されています。
4. SNS依存のリスク:精神的な健康への影響
薄々感じてはいるでしょうが、SNS通知には依存性があることが指摘されています。通知が来るたびに喜びや安心感を感じSNSを頻繁にチェックする習慣がつき、これが依存に発展していきます。
このような依存行動は、日常生活に悪影響を及ぼすことがあります。例えば、リアルな人間関係が希薄になったり、仕事や勉強に集中できなくなったりすることが考えられます。また、SNSでのやり取りに依存するあまり、孤独感や不安感が増すこともあります。
酷くなると通知が来ていないのに、音や振動が聞こえる。ファントム・バイブ・シンドローム(幻想振動症候群)になることもあります。
5. 長期的な影響:精神的健康のリスク
SNS通知の影響は、短期的なストレスだけでなく、長期的に見ても精神的健康に影響を与える可能性があります。頻繁な通知の受信やSNS依存が続くと、慢性的なストレス状態が続き、最終的にはうつ病や不安障害のリスクが高まるという報告もあります。
また、しつこいようですがSNSで他人と自分を比較し続けることで、自己肯定感が低下し、精神的な不安定さが増すこともあります。こうしたリスクを軽減するためには、SNSの利用時間や通知の頻度を見直し、デジタルデトックスを取り入れることが有効です。
さいごに
今やSNS通知は、私たちの生活に大きな影響を与えるものになっています。
振り回されて一喜一憂し続ける先には、ストレスや依存のリスクが大きな口を開けて待ち構えています。自分自身の心と体の健康を守るために、一度立ち止まってSNSの使い方を工夫し、適切なバランスを保つことをおススメします。