腱鞘炎について:症状、原因、治療法

腱鞘炎とは?

腱鞘炎は、手や指の腱が通るトンネル状の腱鞘に炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こす疾患です。特に、パソコン作業や家事など、同じ動作を繰り返すことが多い人や、楽器演奏など指を使う仕事に従事している人に多くみられます。

腱鞘炎の症状

  • 痛み: 指の付け根や手首に痛みを感じ、特に指を曲げ伸ばしするときに痛みが強まります。
  • 腫れ: 患部に腫れが生じ、熱感を感じることもあります。
  • こわばり: 朝起きた時などに指がこわばり、スムーズに動かせないことがあります。
  • バネ指: 指を曲げるときに引っかかりを感じ、バネのように跳ね返る症状が現れることもあります。

腱鞘炎の原因

腱鞘炎は、主に以下の原因が考えられます。

  • 使いすぎ: パソコン作業、家事、楽器演奏など、同じ動作を繰り返すことで腱鞘に負担がかかり、炎症を起こします。
  • 加齢: 年齢とともに腱鞘が硬くなり、炎症が起こりやすくなります。
  • 関節リウマチ: 関節リウマチなどの自己免疫疾患も、腱鞘炎の原因となることがあります。

腱鞘炎の症例

  • ドケルバン病: 親指の付け根の腱鞘炎で、親指を動かすと手首が痛むのが特徴です。
  • ばね指: 指を曲げるときに引っかかりを感じる症状で、主に中指や薬指に起こります。

腱鞘炎の治療

腱鞘炎の治療法は、症状の程度や原因によって異なります。

  • 安静: まずは患部を安静にし、炎症を抑えることが大切です。
  • 薬物療法: 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの痛み止めや、ステロイド注射による炎症抑制が行われます。
  • 物理療法: 温熱療法や超音波療法など、物理療法によって血行を改善し、炎症を鎮めます。
  • 装具療法: サポーターや固定具を用いて、患部を固定し、安静を保ちます。
  • 手術: 保存療法で改善が見られない場合、手術によって狭くなった腱鞘を切開することがあります。

腱鞘炎の予防

腱鞘炎を予防するためには、以下の点に注意することが重要です。

  • 同じ動作の繰り返しを避ける: 作業の合間に休憩を挟んだり、ストレッチを行うなど、同じ動作を長時間続けすぎないようにしましょう。
  • 正しい姿勢を保つ: パソコン作業をする際は、正しい姿勢を保ち、キーボードやマウスの位置を調整しましょう。
  • 冷えすぎに注意する: 手足が冷えると血行が悪くなり、炎症を起こしやすくなります。
  • バランスの取れた食事: カルシウムやビタミンDを摂取し、骨や関節の健康を維持しましょう。

腱鞘炎に効果的なツボ

東洋医学では、ツボを刺激することで、体の痛みや不調を改善すると考えられています。腱鞘炎には、以下のツボが効果的と言われています。

  • 陽谿(ようけい): 手首の親指側の骨の出っ張りの少し上にあるツボです。
  • 列缺(れっけつ): 手首の橈骨動脈のすぐ上にあるツボです。

ツボの刺激方法

  • 指で押したり、もんだりして刺激します。
  • 温灸器や鍼灸で刺激することもできます。

【注意点】

  • ツボの刺激は、あくまで補助的な治療法です。
  • 自宅で行う際は、強く押しすぎないように注意しましょう。
  • 妊娠中の方や、持病がある方は、事前に医師にご相談ください

専門家からの見解

整形外科では、「腱鞘炎は早期発見・早期治療が大切です。症状が出始めたら、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。また、予防策を心がけることで、再発を防ぐことも可能です」と述べています。

まとめ

腱鞘炎は、日常生活に大きな支障をきたす可能性のある疾患です。しかし、適切な治療と予防を行うことで、症状の改善が見込めます。もし、手や指に痛みを感じたら、自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。

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