ハイカットシューズは本当に足首の捻挫を予防できるのか?

長年、スポーツ選手や指導者から支持されてきたハイカットシューズ。足首をしっかりと固定することで、捻挫などの怪我を予防できると考えられてきました。しかし、最近の研究では、その効果に疑問が投げかけられています。

足関節捻挫発生率への影響

まず捻挫とシューズに関する複数の研究で、ハイカットシューズとローカットシューズの間で足関節捻挫発生率に大きな差がないことが示されています。

  • 足関節の機能低下: ハイカットシューズは、足首の動きを制限することで、本来足関節が担っている安定化機能を低下させる可能性があります。
  • 足関節捻挫発生率への影響: 複数の研究で、ハイカットシューズとローカットシューズの間で足関節捻挫発生率に大きな差がないことが示されています。
  • 他の怪我のリスク増加: 足首の可動域が制限されることで、他の関節への負担が増え、新たな怪我を引き起こすリスクが高まる可能性も指摘されています。
  • スポーツの種類やプレースタイルとのミスマッチ: スポーツの種類や個人のプレースタイルによっては、ハイカットシューズが逆にパフォーマンスを低下させる可能性もあります。

スポーツ時の実例

例えばバスケットボールでは長年ハイカットシューズが推奨されてきましたが、転倒時に足首が固定されていることで、膝の捻転、かえって大きな怪我に繋がってしまうケースが多々あります。他にも山登りにおいてハイカットは常識とされていましたが、トレイルランニングの実践者は、ローカットかつソールが薄い方が捻挫をしにくいと実感しているようです。バランスを崩したときに、足首がフリーになってる方が咄嗟の回避がしやすい事と地面の感触を直に感じられるからと考察しています。

捻挫の原因は多岐にわたる

捻挫は、足首の動きだけでなく、足の構造、姿勢、歩き方、履いている靴など、様々な要因が複雑に絡み合って起こります。

  • 足の構造: 偏平足、ハイアーチ、外反・内反足など、足の構造的な問題が捻挫のリスクを高めることがあります。
  • 姿勢や歩き方: 不安定な姿勢や、足指をうまく使えない歩き方も捻挫の原因となります。
  • 靴: サイズが合っていない靴や、硬すぎる靴、柔らかすぎる靴なども捻挫のリスクを高めます。

捻挫予防のための靴選びのポイント

捻挫を予防するためには、以下の点に注意して靴を選ぶことが大切です。

  • 自分の足に合ったサイズ: 足の形や大きさに合った靴を選ぶことが基本です。
  • 安定性: かかとがしっかりしていて、横方向の動きもサポートしてくれる靴を選びましょう。
  • 柔軟性: 足指が自由に動ける程度の柔軟性がある靴を選びましょう。
  • クッション性: 着地の衝撃を吸収してくれるクッション性のある靴を選びましょう。
  • スポーツの種類: 自分のやっているスポーツに合った靴を選びましょう。
  • プレースタイル: 自分のプレースタイルに合った靴を選びましょう。

その他の捻挫予防策

  • 足指の運動: 足指を動かす運動を積極的に行い、足指の筋肉を強化しましょう。
  • バランス運動: バランス感覚を養う運動を取り入れ、体の軸を安定させましょう。
  • 柔軟体操: 足首の柔軟性を高めるストレッチを定期的に行いましょう。
  • ウォーミングアップ: 運動前に必ずウォーミングアップを行い、体を温めましょう。

様々な分野からの知見を総合すると、捻挫予防には以下のようなことが言えます。

  • 靴: 自分の足に合った靴を選ぶこと、そして、足指が自由に動けるような柔軟性のある靴を選ぶことが重要です。
  • 足: 足の構造や機能を理解し、適切なケアを行うことが大切です。
  • 運動: 足指の運動、バランス運動、柔軟体操などを積極的に行い、体の機能を向上させましょう。
  • 意識: 普段から姿勢や歩き方に注意し、安全に運動できるように心がけましょう。

他の視点から考えてみる:裸足ランニングから得られる知見

少し目線を変えてみましょう。近年、裸足ランニングが注目されています。裸足で走ることで、足本来の機能が回復し、怪我のリスクが減少するという研究結果も報告されています。裸足ランニングでは、足指が地面をしっかりと捉え、足全体で衝撃を吸収するため、足関節の負担が軽減されると考えられています。

また、五本指シューズなど、従来の靴とは異なるアプローチも注目されています。これらの運動は、足本来の機能を引き出し、怪我のリスクを減らす可能性が示唆されています。

ふくやま

裸足ランニングに関しては、中々面白そうなので、またの機会に記事を書きたいと思っています。

さいごに

ハイカットシューズは、必ずしも足関節の捻挫を予防できるとは限りません。むしろ、足関節の機能を低下させ、他の怪我のリスクを高める可能性も指摘されています。捻挫予防のためには、自分の足に合った靴を選び、足全体の機能を向上させることが重要です。

免責事項

本記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。ご自身の症状については、必ず医師にご相談ください。

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