なんで同じ姿勢でいると体が固まるの?筋膜と筋膜炎

普段の生活の中で立っている、座っているどちらが多いですか?ずっと座っているのならチョッとだけ生活を変えてみて下さい。そのままだと体のあちこちにトラブルが起きるかも知れません。

座るという動作に限らず日常生活の中で、長時間同じ姿勢を続けることが筋肉の硬直につながるということは多くの人が経験していると思います。ただ、そのメカニズムや健康に及ぼす影響については、詳しく知られていないことが多いのかな?と思います。

筋肉のスタンバイ状態と固まりのメカニズム

筋肉は常に体を動かせるように適度な緊張状態を保っています。この状態は「筋緊張」と呼ばれ、体を支えるために必要な機能です。しかし、長時間同じ姿勢を続けると、筋肉が伸縮せずに血流が滞り、筋肉への酸素や栄養の供給が不十分となり、結果として筋肉が固まります。

ふくやま

さらにいうなら、人の体とは良く出来たもので、長い間同じ姿勢を続けていると(この体はこの形をとっている方が都合がいいんだな~と)判断して、その”形”を維持しやすいように固まるんですね。

さらに、筋肉の緊張が亢進した状態が長引くと、筋膜と呼ばれる筋肉を包む膜も硬くなり、周囲の組織と癒着します。この状態は「筋膜炎」と呼ばれる炎症を引き起こすことがあります。筋膜炎は痛みを伴うことが多く、さらに筋肉の硬直を悪化させる原因となります。

筋膜炎とは、筋肉を包んでいる薄い膜状の組織である筋膜に炎症が起こる状態を指します。筋肉の使いすぎや、長時間の同じ姿勢などにより、筋膜が硬くなり、柔軟性を失うことで発生します。

筋膜炎の症状

  • 痛み: 患部に鈍痛や鋭い痛みを感じます。
  • こわばり: 筋肉が硬くなり、動きが制限されます。
  • 圧痛: 患部を押すと痛みを感じます。
  • 疲労感: 全身の倦怠感や疲労感を感じることがあります。

筋肉が固まる原因

筋肉が固まる原因としては、以下の要因が考えられます。

  1. 運動不足
    筋肉は使用しなければ柔軟性を失い、硬直しやすくなります。定期的な運動が筋肉を健康に保つために重要です。
  2. 冷え
    低温環境に長時間さらされると、筋肉が冷えて硬くなります。冷えは血流を悪化させ、筋肉の酸素や栄養供給を阻害します。
  3. ストレス
    ストレスは自律神経のバランスを崩し、交感神経の働きが優位になると筋肉が緊張します。この状態が続くと筋肉の硬直を引き起こします。
  4. 不健康な生活習慣
    栄養バランスの偏りや睡眠不足、過度なアルコール摂取などの生活習慣も筋肉の健康に悪影響を及ぼします。
  5. 加齢
    年齢を重ねるにつれて、筋肉の柔軟性が低下し、固まりやすくなります。加齢に伴う筋力の低下も、姿勢の維持が難しくなる一因です。

筋肉が固まる悪循環

同じ姿勢を続けることは、筋肉が固まる悪循環を引き起こします。このメカニズムを以下にまとめます。

  1. 同じ姿勢を維持する
    筋肉が収縮し続け、血行が悪くなる。
  2. 血行不良
    筋肉への酸素や栄養が供給されなくなる。
  3. 筋肉が固まる
    筋肉の柔軟性が失われ、硬直が進行。
  4. 血管の圧迫
    硬くなった筋肉が血管を圧迫し、さらなる血行不良を招く。
  5. 悪循環の繰り返し
    このサイクルが繰り返されることで、筋肉がますます固まり、体全体の硬直が進行します。

この悪循環を断ち切ることが、筋肉の健康を保つために不可欠です。

筋肉の固まりが引き起こす影響

筋肉が固まると、特定の方向に筋肉が伸ばせなくなり、関節スムーズに動かしづらくなります。
たとえば膝を曲げる動作をする場合、太ももの前面にある筋肉(大腿四頭筋など)が伸びる必要があるのですが、筋肉が硬くなって伸びなくなると太ももの前側が突っ張ってしまい膝が曲げづらくなります。

特定の筋肉が固まると、一部の筋肉に偏った負担がかかってしまい、その筋肉に炎症が起きやすくなります。
炎症が発生すると、同時に痛みが起こります。そして、その痛みによってさらに筋肉が硬直するという悪循環が繰り返されることになります。この状態が続くと、痛みは全身に広がり、慢性的な不調へとつながります。

ふくやま

首や肩、腰などのトラブルは直接ぶつけた・捻じったとかではない限りは日常動作での負荷の蓄積であることが殆どです。

筋肉の硬直を防ぐための対策

筋肉の硬直を防ぐためには、日常生活においてこまめな体のケアが重要です。特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける場合、以下の対策を心掛けましょう。

  • 定期的な休息とストレッチ
    1時間から1時間半ごとに立ち上がって体を動かし、筋肉の血流を促進させましょう。首や肩、腰などを軽くストレッチすることも有効です。
  • 適度な運動
    毎日の生活に運動を取り入れることで、筋肉の柔軟性を保つことができます。特に全身を動かす運動が効果的です。
  • ストレス管理
    リラクゼーションや深呼吸など、ストレスを軽減する方法を取り入れて、筋肉の緊張をほぐしましょう。
  • 整体やマッサージなど  
  • 外部から筋肉や筋膜の癒着をほぐすことで、柔軟性を取り戻します。

さいごに

筋肉の固まりは、日常の生活習慣や姿勢が大きく影響します。運動不足や冷え、ストレス、不健康な生活習慣が原因となるため、これらの要因に対して適切な対策を講じることが重要です。特に、長時間同じ姿勢を続けることが多い現代人にとって、こまめな休息と体のリセットが健康を維持する鍵となります。

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