HSP（Highly Sensitive Person）の方々にとって、身体の不調は深刻な問題となることがあります。その繊細な性質ゆえに、周囲の刺激に敏感に反応し、ストレスを溜め込みやすいからです。今回は当院のメインである整体がHSPの方々の身体の不調にどのように効果を発揮するのか、心理学、医学、神経科学の視点からより深く考察していきます。
整体がもたらす効果：科学的根拠のようなもの
整体には切っても切れない筋肉の緊張、この緊張が過度に達すると肩コリや腰痛だけでなく、メンタル的にもよくない結果が現れます。
1. 筋肉の緊張緩和と疼痛軽減
- ゲートコントロール理論: 痛みを感じる神経経路と他の感覚神経経路が脊髄で競合するという理論です。整体による触覚刺激は、痛みの信号を遮断し、疼痛を軽減する効果があるとされています。
- 内因性オピオイド系の活性化: 整体によって、脳内モルヒネと呼ばれる内因性オピオイドが分泌され、痛みの抑制や幸福感をもたらすと考えられています。
- 筋紡錘の調整: 筋肉の緊張を感知する筋紡錘の働きを調整することで、筋肉の過緊張を緩和し、疼痛を軽減します。
当院の施術は特に最後に挙げられた筋紡錘、ゴルジ腱器官へのアプローチを行いますので、不安感を感じることなく筋肉の緊張を和らげていきます。
2. 自律神経のバランス調整とストレス軽減
医療従事者ではない整体師の施術は長年医学的根拠がないとされてきましたが、近年では手で直接触れる事でのリラックス、精神的な安定に対し大きく貢献できることが分かっています。
- 迷走神経の活性化: 整体は、迷走神経を刺激することで、副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めます。
- HPA軸の抑制: ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制するHPA軸の働きを調整することで、慢性的なストレス状態から解放されます。
- 心身相関の視点: 身体の歪みを整えることで、心身に一体感が生まれ、精神的な安定感が増します。
特に最後の心身相関の考えは、古来からある心と身体は繋がっているという整体観に現れています。
3. 免疫力向上
TVなどの影響で一瞬で歪みを治す技のように捉えられがちな整体ですが、その実、以下のような事に対して長期的なアプローチをしていくという、ある意味こちらの方がメインともいえる効果が期待できます。
- 自然免疫系の活性化: 整体による血行促進は、マクロファージなどの免疫細胞の働きを活発にし、感染に対する抵抗力を高めます。
- 自律神経と免疫系の連携: 自律神経のバランスが整うことで、免疫系も安定し、アレルギー症状や感染症のリスクが低下します。
4. 脳機能への影響
脳機能に関してはまだまだ発展的分野であり、整体がもたらす効果の医学的根拠は専門家たちにとってメインのテーマではないので、学術的な研究結果は少ないと思えますが、それでも熱心な方々によって以下のようなことが分かってきています。
- 脳波の変化: 整体を受けることで、アルファ波が増加し、リラックス状態が促進されます。
- 海馬の活性化: 海馬は記憶や学習に関わる重要な部位ですが、ストレスによって萎縮することがあります。整体は、海馬の機能を活性化し、記憶力や学習能力の向上に繋がると考えられています。
HSPにとっての整体の意義
いろいろ書きましたが、HSPの方々は、外部刺激に敏感で、過剰に反応しやすいという特徴があります。このため、慢性的な筋肉の緊張や自律神経の乱れを抱えやすく、身体の不調を感じやすいのですね。
整体は、このようなHSPの方々の特徴を踏まえ、以下のような効果が期待できます。
- 五感への優しいアプローチ: 視覚や聴覚などの五感への刺激を最小限に抑え、触覚を中心とした施術を行うことで、HSPの方々の負担を軽減できます。
- 個別化された施術: 一人ひとりの身体の状態や心の状態に合わせて、施術内容をカスタマイズすることで、より効果的な治療が可能です。
- 心身一体の癒し: 身体の歪みを整えるだけでなく、心の状態にも働きかけることで、心身両面のバランスを整えます。
最後に
整体は、単なるマッサージではなく、統計や経験則、東洋医学、科学的な根拠を元にした民間療法ですが、案外とHSPの方々と相性は良く、当院での整体を受けることで、身体の不調が軽減し生活が楽になったという方も大勢いらっしゃいます。勿HSPは生まれ持っての気質なので治る治らないという話ではないのですが、それでも体の緊張が取れるだけで、精神的な開放は思いもよらぬほどの効果をもたらします。
一応【注意点】
- 整体は、すべての症状に効果があるわけではありません。
- 症状によっては、医師の診断が必要な場合があります。
- 施術を受ける際は、信頼できる施術者を選びましょう。
今後の展望
近年、脳科学や神経科学の発展に伴い、HSPに関する新たな知見が得られています。今後、さらに科学的な根拠に基づいた研究が進み、より効果的な治療法が開発されることが期待されます。当院も新しい情報を入れるよう心がけています。
