古来より、木の芽時は体調を崩しやすいと言われていますが、この時期特有のだるさなどは、人にとって抗いがたいもののようです。 「特に何もしていないのに、体がだるい」「朝、布団から出るのがしんどくなった」といった不調をよっこらせと抱えながら、来院する方も少なくありません。
寒い冬を乗り越えて、ようやく暖かくなってきたのに、なぜか体がついてこれず、それでも「春なんてこんなもんだろう」とそれを当たり前に受け入れていませんか? 確かにそうなんですが、その裏には自律神経の乱れが潜んでいたりします。
気温は上がっても、体の中はまだ冬
言うまでもなく、春になると気温が上がります。
とはいえ、気温は毎日一定に上がるわけではありません。
ここで3月の気温を思い浮かべてみましょう。
例えば、朝は5度、昼は18度、翌日はまた10度、という具合に、1日の中でも日をまたいでも、気温が大きく上下します。 そして、自律神経はこの「気温の変化」に対応するために、常にフル回転で働いているのです。暑ければ体を冷やす準備を、寒ければ体温を保つ準備をする。この切り替えをあなたの意識の下で、一日に何度も繰り返しています。 面白いことに冬の間は気温が低いながらも安定するので、自律神経の負担は実はそれほど大きくありません。
ところが春になると気温の変動幅が一年で最も大きくなります。体の中はまだ冬のペースで動いているのに、外の環境だけが忙しく変わり始めるのです。
そして、この「外と内のズレ」が、春のだるさの正体といっても過言ではありません。
自律神経の「季節ズレ」が起きているとき、体はこうなる
自律神経の切り替えが追いつかないと、体にはこんなサインが出てきます。
- 朝起きたときから体が重く、動き出すのに時間がかかる
- 日中、特に午後に眠気やだるさが強くなる
- 頭がぼんやりする、集中力が続かない
- 食欲が落ちる、または逆に甘いものが無性に食べたくなる
- 肩や首の張りがいつもより強い
- 夜、なかなか眠れない、または眠れても疲れが取れない
これらを感じたとき、自分の心が弱っていると思うかもしれません。
しかしこれは「怠けたい心」や「なんとなく」が生み出す現象ではなく、自律神経が環境の変化に対応しようとして消耗している状態であり、言うなればそういう構造なのです。
特に影響を受けやすい人
同じ春でも、人によってだるさの出方は大分異なります。
中でも季節ズレの影響を受けやすいのは、もともと自律神経の調整機能に負荷がかかっている方です。 たとえば、日頃から考えすぎて頭が休まらない方、音や光など外からの刺激に敏感な方、体が常に緊張していてリラックスしにくい方。
こういった方は、気温変化という「外からの負荷」が加わったとき、体の対応が追いつかなくなる傾向があります。 「毎年この時期になるとしんどくなる」という方は、体質的な問題というより、もともとの自律神経の余裕が少ない状態で春を迎えている可能性が高いのかもと考えてみてください。
この時期に体が楽になるためにできること
ここまでの流れで予想はつくでしょうが、季節ズレに対してできることは、やはり自律神経の負担を減らしてあげることです。
こんなこと言うと、ほら来たっ!と警戒するかもですが、特別なことは必要ありません。
まず、朝の急激な動き出しを避ける。 起きてすぐに活動を始めると、自律神経の切り替えが間に合いません。起床後5〜10分はゆっくり過ごすだけで、その後の体の動きが変わります。
次に、体を冷やさない。 春になったからといって薄着にするのは早すぎます。重苦しいアウターを脱ぎたい気持ちはわかりますが、夕方以降の冷え込みに対応できるよう、一枚羽織るものを持ち歩く習慣を続けてください。
もう一つ、完璧な睡眠を目指さない。 この時期は眠れないことを気にしすぎると、それ自体がストレスになります。「眠れなくても横になっているだけでいいや」くらいの気持ちで、体を休める時間を確保することが大切です。
春のだるさは「体からのサイン」
春のだるさは、体が季節の変化に一生懸命対応しようとしているサインでもあります。
「だるさは一旦受け入れ、とにかく無理をしない」という判断が、この時期はとても重要です。
当院では、過緊張状態にある自律神経に直接アプローチする施術を行っています。「毎年この時期がしんどい」「春になると調子が崩れる」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
