首の痛み・つっぱり感が取れないときのもう一つの視点

整体に来る人の悩みで「何をしても首のつっぱりが取れない」というものがあります。肩のコリに並んで多いお悩みなのですが、この首のつっぱり感というものが実に曲者なのですね。

専門店に行ってほぐして貰ってもの、酷いときは翌日には元に戻っているといケースも少なくはありません。

もちろんこれだけ悩んで知るのですから、自分でも相応お対処はしているはずです。患部を温めたりストレッチをしてみたり、それでも何だかスッキリしない、そんなときは、アプローチしている場所と目的がズレているのかもしれません。

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神経の反応

慢性的な首の張りが続いていると、筋肉がガチガチに緊張して縮んでいると考えるのが通常だと思います。しかし、場合によってその原因が「縮もうとしている」のではなく、「縮んだまま解除の指令が来ない状態にあるということもあるのです。

縮こまれ・緩めと指令を出しているのは、神経系の役割です。その神経系は常に「今は安全か」ということを評価・判断しているわけですが。

安全と判断されたとき、筋肉には緩むという指令が、危険と判断されたときや「まだ判断できないな」というときは、筋肉は収縮(縮こまった)状態を維持したまま待機しなさいという指令を出します。

いわゆる慢性的な過緊張の多くは、この「待機状態が解除されていない」ことに端を発する問題なのです。

なので、筋肉を外から押して、伸ばして、捻っても神経系が「まだ待て」と言っている限りまた元に戻ってしまうのです。

何が「安全」の信号になるか。

その一つが皮膚への接触です。

一言で接触といってもそこには明確に「質」が求められます。

単純な圧の強弱ではなく、水面に波紋を立てないような触れ方の一定性と持続が、神経系に予測可能な入力として届いたとき、そこではじめて脅威評価が下がります。

これは感覚的な話と同時に、ポリヴェーガル理論や予測的符号化の文脈で説明できる生理学的な仕組みでもあります。

当院で使っている手技の一つである収縮補助法は、この原理を逆手に取っているとも言えます。

筋肉が「縮もうとしている方向」に、こちらから微細な補助を加えていきます。抵抗ではなく、あえて追従するのです。するとその筋肉が送り続けていた「縮め」の信号は薄れていきます。神経系が「もう自分で頑張らなくていい」と判断し緊張がほどけます。

外部からやかましく声をかけるのではなく、自身の判断で楽を選択するための準備を整えるといえばわかりやすいでしょうか。

触れられた結果

施術後に「何もされた感じがしないのに楽になった」という感想をよく耳にしますが、理由はシンプルです。

単に筋肉だけを標的にして揉みほぐす、引っ張るといった施術をしていないというだけのことです。神経系に働きかけることで筋肉にも相応の変化が生まれているのです。

頑張っている人に頑張れと声をかけても辛いだけです。私の施術は頑張っている人に少しは休んでもいいだよと声掛けをして、その人に休んでもいいのだと気付かせるための手段であり、言い換えればそれだけのことです。

ですので「揉まれた感がないと効いた気がしない」「理屈はどうあれ、凝っているところ強く揉んでほしい」という人には向かないかもしれません。

ただ、色々試したけどイマイチだった、他の方法も試してみたい、そもそも強い刺激が苦手という人には選択肢の一つになり得ます。

人の体は複雑です。首のつっぱり感一つとっても、その理由は多々絡み合っているものです。

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